「・・・・・いや、その通りだ。
俺達・・・・・いいや、監察方はお前を常に監視している。
だが、総司の話によればお前は監視にしついて“勝手にすればいい”と言ったそうじゃねぇか。
なら、気にする必要はねぇだろ?」
まぁ、確かに気にする必要はない。
私自身、監視がなくなるとは思っていないし、それに、人に見られるのには慣れている。
伊達にアイドルやってたわけじゃない。
沖田はあの甘味屋での話を土方にしたのか・・・・・。
話さないとは思っていなかったが、こう面と向かって言われるとはっきり言ってとても面倒だ。
あの日私はどうかしてた。
沖田に少しでも流されそうになってしまった。そんな自分がいたことを、どうしても消してしまいたい。
「そうですね。気にする必要はないです。
監視は続けてくださって構いません。
では、話はもう他にありませんよね?
私はこれから仕事がありますので、失礼します」
軽く解釈をし、土方の部屋を出ようとする。
───パシッ
「・・・・・なんですか」
土方が私の手を掴んだ。顔は伏せられていて、表情は見えない。
それよりも、手を離してもらえないと仕事ができない。
そろそろ食事の支度をする時間帯だ。
遅れたら困るのは土方達だろう。
ああ、でも・・・・・歓迎会という名の宴があるから関係がないのか。



