そうだ、関わりは持たない。
それは“ここ”でも同じことだ。
「………ひとつ、聞きたいことがあるのですが。」
「なんだ?」
「───私を誰かに見張らせていませんか?」
一瞬、土方の顔が強ばるのがわかった。
「………なんのことだ?」
「隠そうとしても無駄ですよ。
私は人の気配には敏感なものですから、
すぐに気づきます。
それに……………今も、いますよね?
天井裏に。」
私は天井を指さす。
ここに来てからずっと、何者かに見張られていた。
その視線は常にあり、はっきりいってとても落ちつくものではない。
「いつから気づいてた?」
「私がここで働き始めてからでしょうかね」
「なぜ監視だとわかった?」
「そんなの簡単です。
私は元々間者という疑いをかけられここに連れてこられました。
男と勘違いしていた間は拷問ができます。
ですが、女と気づいたならば話は別、軟禁しかできなくなります。
また、私は女中として働いているので市中に買い物に行くことも度々あります。
そのため幹部の方が監視をするには限界がある。なのでここは監察に任せるのが妥当です。・・・・・違いますか?」



