「……………私は、何?」


沖田は私の言った言葉をゆっくりと復唱した。


「いや、なんでもない。」


「ふ〜ん、あくまでしらをきるつもりか。ま、それはそれでいいけど?僕等が君を疑うことはこれからも変わらない。それか君が間者じゃないことが判明するまでは僕等は君を監視することになるけど?」


「……………勝手にすればいい。」


ここの人間も、"あいつら"と同じなんだ。


人を疑うことが好きで、自身の利益のためには手段を選ばない。


私は、嫌いだ。


「私を疑おうが、疑わまいが、別に貴方達の勝手だもの。私は私でやっていく。決して貴方達を信じようとはしない。」


これは、決して揺るがない。揺るがせない。


私は私。他の人なんて関係ない。


私はいずれここを出て1人で生きていくつもりだ。


抜け出すことは不可能でも、いつか機会があるはずだ。


新撰組の史実は頭に全て入っている。


いつ、どこで、なにが起こるか。


いつ、どこで、誰が死ぬのか。


私は全てわかる。


だからこそ、屯所が一番手薄になる時を知っている。


そこを、狙う。