仲間という名の雫



どうして私………ここにいるんだっけ?


女中としてここに住んではいるけれど、私がここにいる意味が、よくわからない。


拷問をしたから?だとすればそれはただの同情だ。


親切心?いや、人斬り集団がそんなことを考えるはずがない。


表向きは優しい素振りを見せていても、心のどこがで疑っている。


私が、間者ではないかと。


結局、皆そうなんだ。


親しくする"フリ"をして、心の底では裏の顔をだす。


そして、いつかは裏切る。


その"いつか"はすぐそこかもしれないし、まださきかもしれない。


そんなの、私にだってわからない。












「葵ちゃん。甘味処に行こうよ。」


「甘味処……………?」


時間がない……………というのは嘘で、今はとても暇だ。


沖田はそんなことなんて知っているような顔で私を見る。


「もう仕事は終わってるよね?じゃぁ行こうか。」


「……………わかりました。」


面倒。とても面倒。