仲間という名の雫



別に誰も文句を言ってこないから、私は変えるつもりはない。


私はさっさと朝膳を作り終えて広間へ運ぶ。毎度のごとく幹部の人達に手伝ってもらいながら。


今回は原田、永倉、平助が手伝ってくれていた。大袈裟かもしれないが、とても助かっている。


「葵料理上手だよな!」


平助は勝手場に来る度にこう言う。


ちなみに料理はほぼ初心者で、バラエティ番組でたまに見たことがあるくらいだったのだが……………普通に作ることができていた。何故か。


「…………そんなことありません。私はほとんどやったことありませんから。 」


そう言うと、平助、原田、永倉はそろいもそろって同じ顔をする。………口をあんぐりとあけた顔を。


「………いいから、運んでください。」


「葵……………お前天才か?」


「………………運んでください。」


「ほぼ初めてでこんだけ料理できるってどんだけだよっ!!」


「だから…………早く運んでください。」


だんだん声が大きくなっていく平助に私は少しだけ冷たい視線を送る。


「おい平助、そろそろ運ぶぞ。」


「早くしろよー?遅かったら今度島原奢ってもらうからな!」


原田、永倉はそう言いながら膳を広間へ運んで行く。


残された平助は寂しくキノコを栽培しながら膳を運んで行った。