……………もう、やめたい。
自分を偽ることも、自分を隠すのも。
嘘なんてつきたくないし、こんな息の詰まる生活はどうしても好きになれない。
素の自分を見せれることがどれほど幸せなことなのか。
今になってようやくわかった。気づくのがとてつもなく遅いけれど。
ここの人達を信じたい。そう思っているのに、なかなか行動に移すことができない。
ここは、人斬り集団。後の新撰組。
私はこの人達をどうしても信用することができない。
*
朝。私は何事もなく普段通りに目を覚ました。
私が起きるとき、まだ隊士の人達は誰も起きていない。
その時間を利用して、私は朝膳を作るために勝手場へ行く。
今日は味噌汁と漬物、焼き魚と白米。
ほぼいつも同じ献立である。
考えるのが面倒くさいわけじゃぁなく、この時代の勝手場に慣れないだけだ。



