仲間という名の雫



なんて自分は孤独なんだろうと、改めて思い知る。


「………そうか。すまねぇな。」


「謝ることはありません。」


謝ることは、ない。


すべて本当のことなのだから。


「………1つだけ聞く。お前は何故あのときあの場にいた。何故あのような格好をしていた。」


…………2つ聞かれた気がするのは気のせいということにしておこう。


「私は京の町を歩いているときに浪士に遭遇しました。あの格好についてですが、友人からもらったものを着ていたのです。」


「その友人とは、どこの者だ?」


「わかりません。それほどお互いを知っていたわけでもありませんから。」


「それなら何故わざわざ異国の服をお前にわたす?」


「そんなことを私に聞かれてもわかりませんよ。第一、今どこにいるかすらわからないというのに。」


つらつらと口からでる嘘。


「どういうことだ。」


「どういうこともなにも、そのままです。わからないと言っているのです。」


すべて、つくりもの。


私自身、この現状をまだ理解しきれてないというのに、説明をしろと言われてもそう簡単にはできない。


なら、嘘で塗り固めるしかない。