────彩音。
あのときの、声だった。
私がここにくる直前に聞いた、あの声。
────声が、欲しい?
頭の中に、響いてくる声。
────返すわ。あなたはもう、大丈夫。
・・・・・・・・・どういうこと?
私の声を奪ったのは、あなたなの?
少しして、あのときの激痛が襲ってきた。
前よりは酷くない。けれど、耐え難いもの。
「悪い!遅くなった!・・・・・・・・・って、葵!?どうした!?」
平助は頭をおさえてうずくまる私に駆け寄ってきた。
そんなに遅くないけど、平助はそういうのを気にするタイプか。
───────痛い!
もう、意識を保つことすら難しい。
この頭痛は一体何?
声を戻すことへの代償?
しばらくして、頭痛は収まった。
平助はずっと、「大丈夫か?」と心配をしてくれた。
私は本当に声がでるようになったのかと少し疑問だったが、謎の声を信じてみようとした。
「だ・・・・・・大丈・・・夫・・・」
「お前っ・・・・・・!声・・・・・・!」
やっぱり、驚いている。
それもそうだ。
つい3日前まで声が出ないと言っていた私が、話しているのだから。



