「ほな、行くで。」
女将さんは私をグイグイと引っ張り、奥の部屋へと連れて行った。
・・・まさか、着替える、とかじゃぁ、ないよねぇ?
奥に入ると、女将さんは色とりどりの着物を広げ、私と着物を交互に見た。
「この着物がええな。」
着物を片手に私の方へ来た。
私が着ていた袴を慣れた手つきで脱がし、着付けていく。
ツッ込む暇さえ与えない速さで女将さんは私の着付けを終えた。
流石・・・・・着物の着付けは時間がかかるのにすぐ終わるなんて。
「ほな、出来たで。やっぱり素材がいいとやりがいあるなぁ」
私は着せられた着物に息を飲んだ。
真っ白な色に大きな桜の模様が描かれていた。
私なんかが着るには、とても勿体無いと思った。
桜なんて鮮やかでおしとやかな花、私にはとても似合わない。
女将さんは何故だか髪までセットしていた。
化粧もされ、全てが終わり、私は平助の元へ連れて行かれた。
「・・・・・・」
何故だかわからないが、平助は固まっていた。
私は別に自分を可愛いとは思ってない。



