……どうしよう。
あ、そういえば。
私が寝起きしている部屋の文机に、半紙、筆、硯があったはず。
それに書けば、会話ができるんじゃ……!
私はこの時代の読み書きは少しなら授業で習ったことがあった。
見よう見まねだけど、やってみる価値はあるはず。
食事がおわったら、実行しよう。
*
「は?仕事だと?」
土方さんの言葉に、私は頷いた。
あれから私は部屋に戻って早速探した。
この時代の読み書きって難しいし、なにより筆で書くっていうのが無理。
「女中で充分仕事になってるだろう。」
そういうことじゃない。
私はもっと直接的に返したい。
女中でもいいかもしれないけれど、仕事が少なく感じる。
暇な時間ができてしまう。
今までそんな時間はなかったから、どう過ごせばいいのかまったくわからない。
こういうとき、声があれば、なにか変わったのだろうか。
「……声が戻るまでは女中だ。いいな。」
やっぱり、といった返答だろうか。
声が戻ることなんて、きっとない。
私か誰かに心を許す日がくるまで――。



