仲間という名の雫



そのせいか、余計に幹部の人達は私に話しかけてくる。


「運ぶの手伝うぜ!」


平助がそう言ったため、私は遠慮なく頷く。


1人で隊士全員分運ぶというのはさすがに元人気アイドルでもキツいこと。


だから私は、幹部の人が聞いてくれるのを、ひたすら待つのだ。


まぁ、アイドルといったって、元は普通の女の子。


そりゃ虚弱ですよ。


そりゃ寂しいですよ。


なんて、こんなことを面にだせるはずもなく。


私は常に、“無”、だ。


演技しかしない毎日だったからか、もう表情が作れなくなっているようだった。






広間に膳を運び終わると、既に全員揃っていた。


私はいつものように、沖田と斎藤の間に座る。


「いただきます!」


近藤さんの掛け声で、食事が始まる。


ちなみにこの部屋には幹部しかいない。


平隊士と、幹部は別々らしい。


私は女中なのに、何故か幹部と一緒に食べている。


それと、ここでは私は“向日葵”という名前になっている。


訂正したいところだけれど、この名前は何気に気に入っているから、まぁいいかも。