仲間という名の雫



「ということだ。解散。」


広間から続々と出て行く人達。


ずいぶんとあっさりとした報告だが、これならわざわざ広間に集合させなくてもよかったのでは?


…………といいたいところだが、今は無理なので、それは心の中におさめておくとしよう。


それにしても、女中としてここで働く?


ついさきほどまで拷問していた人物をなぜここに留める必要がある?


私は、ここにいちゃいけない人間。


未来を知っている、罪深き人間。


それに…………。


ううん。考えないほうがいい。


自分の、ことなんて────。







──────「あれ、“葵”?はやくね?。」
   

朝。私は朝食を作るために勝手場にきていた。


今の時代は、朝餉というらしい。


準備している最中、平助がやってきたのだ。


幹部はなにかと私に話しかけてくれることがある。


私は相槌を打つ、といっても頷くだけであるため、会話という会話に成り立ったことはない。


そもそもの話、私は日常ではほとんど無表情である。


仕事柄、というものだろうか。余計に表情を作ったりはしないのだ。