「今回のやつしぶといぜ?何やっても声も出しやしねぇ」


「へぇ、そうなんだ。」


木刀貸して、と沖田は永倉に合図する。


沖田は蔵に入った。


中は薄暗く、そこの奥に向日葵はいた。


吊された状態で、着ている服はボロボロになっていた。


しかし、様子がおかしかった。


意識がないようにも思えた。


沖田は、少年に近づいた。


すると、予想通り、といったほうがいいのか、いわないほうがいいのか。


向日葵が、“女”だという証拠を、見た─────。


「そんなっ………土方さん!!」


沖田が叫んで数分後、土方は蔵にきた。


「おい総司。なんで俺を呼んだ。」


土方は酷く不機嫌である。


それもそのはず、副長は常に仕事の書類とにらめっこをしているのだから。


だが、今はそれどころではない。


「土方さん……この子……」


「あ?なんだよ。」


「女の子……ですよ。」


しばらくの沈黙。


「…おい。それはどういうことだ。」