「その服装はなんだ。」
服装。今きている制服のことだろう。
この時代に洋装は存在していないから珍しいのだろう。
「………“普通”ですよ。」
終わったなと心の中で言う。
「総司。こいつ蔵入れとけ。」
「わかりました。君ついてきなよ。」
青年に私は蔵へと連れていかれた。
これから始まるものは、もうわかる。
“拷問”だ────。
─────「おい!」
朝。低血圧の私に鋭い声が突き刺さる。
副長の土方らしき人物が、私を見据えていた。
「てめぇが倒した奴は長州の者らしくてなぁ…情報を聞き出すために拷問したんだよ。そしたらなぁ…お前に聞けばすべて分かるというこった。」
………なるほど。
よくある手口か。
倒された逆恨みやなんやらで、私に仇をなすつもりか。
「さぁ…知ってる情報すべて吐いてもらおうか。」
私は黙った。
知っている情報など、もとより存在ていないのだから。
否定しようが、肯定しようが、きっと土方達には関係はない。
ただひたすら、木刀で殴るだけだ。



