仲間という名の雫



私はアイドルだけど成績はいいほうだから、大体の史実は知っている。


そして、今いるこの時代がどんなところなのかも。


検討はつく。


「じゃぁ、この部屋で待っててくれる?」


中に入り、青年にある部屋に案内された。


この後なにがおこるかはもうわかる。


尋問という名の拷問であろう。


新撰組の副長ともなれば、それなりの疑いを私にかけるはず。


そのとき、襖が相開いて三人の人が入ってきた。


先ほどの青年と、あとは……局長と副長だろうか。


「いやぁ、待たせてすまなかったね。」


「いえ、大丈夫です。」


「……………………」


三人は、私を囲むようにして座った。


「お前……名前は?」


「………“向日葵”。」


「出身は?」


「………………」


私は黙った。適当に嘘をつけばすぐばれるだろうという予想からだ。


かといって何も言わないのも危ない。


ならば、押し黙ろうではないか。


私は、拷問されてもよいと決めた。


その辺の浪士に犯されて死ぬくらいなら、拷問部屋で舌かみきって死んでやろうかと思ったのだ。