ようやくでた声も、虚しく消え去った。




────彩音。あなたは、『桜姫』。




その直後、刀が光り、私は意識を手放した。












「ん………あれ?」


瞼を開くと、そこは対して景色は変わっておらず、ただ私はそこに横たわっていた。


刀を手に。


ただ一つ、不思議なこと。


「なんか……新しい……?」


神社が妙に、新しかった。


つい先ほどまで自分がいた神社は、少し古びていて、昔懐かしといった感じだった。


けれど、今目の前にある神社は、違う。


まだ新しい木材で、建てられているようだった。


雰囲気こそは昔だけれど。


それにしても、あの声は一体何なのだろうか。


『桜姫』?とは。


「………とりあえず………歩いてみるか…」


私はこのままここにいても何も変わらないと思い、歩くことにした。


そういえば、このあとは仕事がある。


ドラマの記者会見に、CM撮影。


遅れたらまずいしね。


急がなきゃ。