ようやくでた声も、虚しく消え去った。
────彩音。あなたは、『桜姫』。
その直後、刀が光り、私は意識を手放した。
*
「ん………あれ?」
瞼を開くと、そこは対して景色は変わっておらず、ただ私はそこに横たわっていた。
刀を手に。
ただ一つ、不思議なこと。
「なんか……新しい……?」
神社が妙に、新しかった。
つい先ほどまで自分がいた神社は、少し古びていて、昔懐かしといった感じだった。
けれど、今目の前にある神社は、違う。
まだ新しい木材で、建てられているようだった。
雰囲気こそは昔だけれど。
それにしても、あの声は一体何なのだろうか。
『桜姫』?とは。
「………とりあえず………歩いてみるか…」
私はこのままここにいても何も変わらないと思い、歩くことにした。
そういえば、このあとは仕事がある。
ドラマの記者会見に、CM撮影。
遅れたらまずいしね。
急がなきゃ。



