「…………あれ?」


事務所へと足を進めていたとき、いつもとは違う景色が目の前にあった。


昔を感じさせる、古びた神社。


「少し…お参りしていこうかな。」


ほんの少し。


すぐ帰ればいいものだ。


お参りくらい、許されるだろう。


私は神社の中に入った。


鳥居を潜ると、そこには古風じみた神社があった。


けれど、どこか、懐かしい感じがした。


「………なに、あれ。刀?」


神社にある大きな桜の木の根本に。


鞘に包まれている、刀があった。


何故こんなところに刀があるのかと、少々気にはなったが、私は興味本位でそれを手にとった。


「………綺麗」


鞘には、細かな桜の細工がしてあった。


私は刀を抜いてみようとした。


すると、今まで味わったこともないような激痛に襲われた。


頭痛、だが、レベルが違う。




───彩音。




頭に響く不思議な声。




───彩音。彼らを──助けて。




彼ら?助ける?


「誰…………なの………??」