「体調は大丈夫だからね。ちゃんと寝てるし」



「わかってる。顔色も良いし」



白い肌の頬にはメイクではない自然の赤みがある



「ありがとう。心配してくれて」



「どういたしまして」



他愛ない会話をしていると、料理が運ばれてきた




「お待たせいたしました」



「いただきます」



本日の和風プレートは炊き込みご飯と鯖の味噌煮、それに蓮根の金平と豆腐のお味噌汁



「おいしい」



「口にあって良かった」



薄味の関西ベースでどこか懐かしい味がした



「美桜の出身から考えると、こっちより関西の味の方が近いだろ?」



「うん」




初めて会ったあの日のこと、覚えていてくれたんだ。



「家でもちゃんと食べろよ」



「わかってます」



桜井航の自分が出てこない相手は初めてで、自分がわからなくなる。余裕がなくなるほど彼が好き