【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~


「ほら、今日は暑いんだからちゃんと食べろ」

「人ん家で偉そうに――!」

太一とじゃれあいながら朝食を食べていたら、玄関が荒々しく開いた。


「おばちゃーん! 俺にもご飯!」


「おはよー、奏くん」

弟が奏に挨拶をすると、ワックス片手に奏が入って来た。


「あのババア、洗面所占領しやがって。あんなに塗りたくっても変んないってーの」

どうやら髪型が決まらなかったらしい奏は、後ろ頭に寝癖を付けて、私の隣に座った。


「俺みたいに坊主にしたら楽だぞ」

「嫌だよ。頭の形が綺麗じゃないと、あれは似あわないんだぞ」


ウインナーに被りつきながら、奏は分かってね―なーとふてぶてしくため息を吐く。


「で? 俺への誕生日プレゼントは?」

「あんたねぇ……」


恋人になったはずなのに、この相変わらずさはいかがなものか。

――太一にも気づかれていない。