どうしようか迷ったけれど、今日は日焼け止めと薄くリップを塗っただけ。
化粧はしなかった。
黄色の大柄の花が散りばめられたワンピースに、髪を上に束ねてお団子にした。
朝、太一の家からは素振りと控え目な壁打ちの音が聞こえ、奏の家からは、早く起きなさいとおばさんの怒鳴る声が聞こえてきた。
そう、いつも通りの朝だった。
「深雪、たいちゃん来てるぞ」
「え!?」
弟が教えてくれた時には既に、太一がウチの家で朝ご飯を食べていた。
「おかわりは?」
「はい、お願いします」
「すげー! 三杯目!」
納豆とベーコンエッグとお味噌汁と山盛りのウインナー。
それを太一はペロッと平らげていく。
「おはよう。深雪、それだけ?」
私のサラダとグレープフルーツジュースを見ながら太一が驚く。
いや、驚きたいのは私なんだけど。
「いっぱい食べてくれると気持ちいいわね。昨日は大活躍だったし、もっといっぱい食べてね」
お母さんが,葡萄に林檎を剥いてテーブルに置いた。
目が完全にハートマークだった。



