「ありがとう。明日はこれで休みをゲットできる。深雪も心配だったんだろ?」
「明日? あ、ああああ! うん」
明日は三人で幼稚園に行くのだったなんて、もちろん忘れてない。
明後日は奏の誕生日だってことも忘れてない。
……忘れてないけど、ちょっと昨日の事で頭がいっぱいだったんだもん。
「昨日、無事に仲直りできたんだ?」
まるで見透かされたような気がして、びくっと反応してしまう。
い、言わなきゃ。
昨日、奏に告白されたって。
自分の高校が勝って嬉しくて堪らないはずなのに、私の変化や明日のことを気にしてくれる、太一に。
「あの、ね、昨日……」
「――うん?」
太一が笑って私の顔を覗きこんできた。
どう言えばいいのか。昨日の今日で、何だが自分がゲンキンすぎて恥ずかしい。
「おーい、キャプテ―ン!」
競技場の方から、先生らしき人の声がした。
「やば。深雪、一人で大丈夫? 帰れる?」
「う、ん。ここまで自転車で来たから」
「じゃ、悪い。明日」
片手を上げて申し訳なさそうに、入口へ走って行くと
すぐに姿は消えてしまった。



