2駅向こうだと油断していたら、結構汗をかいた。
自転車じゃなく、電車を使うべきだったかな?
競技場の駐車場は、大型バスと応援に来た保護者の車で満車だった。
やっぱり甲子園が掛かると皆応援にくるはずだよね。
それなのに、私の為に家族まで応援に来なくてイイって断っていた太一。
真面目で優しくて、本当に――優しくて。
やっぱり私たちの為に色々気を回してくれてるのって、太一なんだよねって思う。
そんな太一だからこそ、来たよって伝えたい反面、本当に緊張するから来るなって思っていたらどうしよう。
到着して今更戸惑っていると、フェンス越しに大きな歓声が聞こえてきた。
スコアボートを見ると既に終わりの方だった。
わわわ、試合、午前中だったんだ。
こんな終わりに来てしまったなんて馬鹿みたい。
今、どっちが投げてるのか打ってるのか、そもそも私、野球のルールすら危ういぞ。
「深雪ちゃん」
「あ」
肩をポンっと叩かれたので振り返ると、美緒ちゃんと太一のお母さんだった。



