そうか。
寝ているなら、好都合。
一人で行っちゃおう。
昨日の今日で、奏にどんな顔して会えばいいのか分からない。
未だに、起きて鏡の前私を見ても、現実には見えなかった。
本当に奏は私が好きで、私は奏が好きで、
私たちは、――恋人で?
「!!!!!!」
「どうしたの? 深雪ちゃん!?」
急にじたばた暴れ始めた私を見て、隣の塀から身を乗り出しておばさんが心配してくれた。
あああああ。恥ずかしい。
「いえ。大丈夫。太一の試合見に行こうかなって思ってて」
「あら、今日は熱中症が多くて危ないから気をつけてね。テレビでも今、やってるわよ」
確かに肌をじりじりと焼くこの日差しは凶器だけど。
「せっかくだから、見てきます」
こんな暑い日だからこそ、頑張っている太一を見たいし、
家に居たら奏に見つかるかもしれないし。



