シャワーに各自、自分の家に戻る時、太一がまた、手を繋いできた。
「太一?」
奏はとっくに家に入っていたが、太一は困ったように笑う。
「お守り、できたら次の試合までには欲しいんだけど、いい?」
「あ、うん!」
今なら、ちゃんと太一を思って作れるような気がする。
「良かった。奏ぐらいとは言わないけど、愛情込めろよ」
「何それっ ちゃんと気持ちを込めて作るよ」
バシッと肩を叩くと、頬を汗が伝いながらも太一は優しく笑う。
「良かった。深雪の代わりに甲子園に連れていくつもりで大切にするよ」
ちょっとだけ、寂しげに笑う。
頬を流れ、顎に伝い、汗が熱いアスファルトに消えていく。
なぜだか、人恋しくなるような、チクリと胸を痛める笑顔。



