「お前、ずっと深雪が好きだったのに気づきの遅いから心配だったんだぞ」
「うるせーな。ちょっとした誤解があったんだ」
「ありがとう。奏」
「はは。このタイミングでか」
奏の猫パンチみたいなふにゃふにゃの拳を、太一はグローブで受け止めながら笑う。
でも、自然な二人を見るの、嬉しい。
最初は太一の野球の試合も見に行かないだの、見に来なくていいだの、何だか二人に距離が合った気がしたから。
でも、男の子ってこんなものなのかな?
ベタベタしない、あっさりした関係。
幼稚園の頃の様な、キラキラした綺麗な『好き』じゃないけれど、
それでも、私は二人が、この空気が好きなんだと思う。
「そういや、ここ壊すから、落書きくらいはしていいってさ」
「へぇ」
「お小遣い厳しくて一個しか買えなかったけど」
さっきの押し入れの上の段に登り、天井をゴソゴソ開けて、奏が何か取りだした。
ドヤ顔で持ってきたのは、青いペンキだった。業務用って書いてあるような。
「お前、すげーな」
「どうせなら、派手にやりたいじゃん? 俺、誕生日だし」
「…筆は?」
楽しそうな企画ではあるが、ペンキ以外見当たらない。
「あ」
「あ、じゃないよ」
太一も呆れた顔で周りを見渡すが、何も見つからない。
奏は詰めが甘いんだから。
「うるせーな。ちょっとした誤解があったんだ」
「ありがとう。奏」
「はは。このタイミングでか」
奏の猫パンチみたいなふにゃふにゃの拳を、太一はグローブで受け止めながら笑う。
でも、自然な二人を見るの、嬉しい。
最初は太一の野球の試合も見に行かないだの、見に来なくていいだの、何だか二人に距離が合った気がしたから。
でも、男の子ってこんなものなのかな?
ベタベタしない、あっさりした関係。
幼稚園の頃の様な、キラキラした綺麗な『好き』じゃないけれど、
それでも、私は二人が、この空気が好きなんだと思う。
「そういや、ここ壊すから、落書きくらいはしていいってさ」
「へぇ」
「お小遣い厳しくて一個しか買えなかったけど」
さっきの押し入れの上の段に登り、天井をゴソゴソ開けて、奏が何か取りだした。
ドヤ顔で持ってきたのは、青いペンキだった。業務用って書いてあるような。
「お前、すげーな」
「どうせなら、派手にやりたいじゃん? 俺、誕生日だし」
「…筆は?」
楽しそうな企画ではあるが、ペンキ以外見当たらない。
「あ」
「あ、じゃないよ」
太一も呆れた顔で周りを見渡すが、何も見つからない。
奏は詰めが甘いんだから。



