【完】3ポイント・ホームラン!~夏空の下、貴方に伝えたい~



お昼寝した保育室で、寝転んで、天井を三人で見た。

丁度お互いの頭を向い合せにして、円になって。

あちこちに黒いシミが浮かぶ天井は怖くて、ぎゅっと目をつぶって早く寝たくて布団を頭から被っては、先生に剥がされていた。

でも、小さい頃は本当にあのシミが動くような気がして怖かったんだ。


そして、あの時。

両方の布団から、『怖くないよ』って二人が手を繋いでくれたように、
思い出は消えても、忘れてしまっても、

三人でいてら怖くないって、ずっと一緒にいるもんだと思っていた。



あの頃の『好き』って気持ちが、色とか形とか変っていく。

キラキラと綺麗な色じゃなくて、複雑な色。

自分じゃ選べない。



「で、奏は何で此処に来たかったんだ?」

クーラーもない部屋で、太一が付帯の汗を拭いながら笑う。

明らかに分かってて、意地悪でだ。


「深雪が喜ぶからだろ」

ふんっと、そのからかいを撥ね退けるかのように奏も言う。

でも、耳まで真っ赤な奏の反応が嬉しい。