あれは忘れもしない。

４年前。

部活の合宿で地方の田舎に遠征で来ていたら、部員がまさかの神隠しに遭った。

外に出て探していたらトンネルに人がいて尋ねたら一緒に探してくれた。

けど、何か違和感あったんだよね、その人。

歳は30くらいで普通の男の人で話し方がやけに丁寧だったんだけど、優しくて人当たり良くてもどこか変な感じが消えなかった。

その違和感に私だけ直感的に気づいた。

この人は人間じゃないって。

それが鬼神との出会いだった。

どうやらその時は鬼の昇格試験で人間界に来てきたのだという。

けれど後から聞いた話、私が人間じゃないことを気づいたせいでその試験通らなかったという。

その試験が通らなかったせいで４年経った今、私のとこへやって来た。