卒園してから15年。
「皆川さん?」
コンサート会場で、ふと声をかけられて
振り返れば、そこには懐かしい幼稚園の
先生の顔。
最後に会ったの、いつだったかな?
随分たってるはずなのに、
昔と全然変わってない!
そんな彼女が言う。
「すっかり美人なお嬢さんになって」
その言葉に隠された意味。
私は嬉しい反面、プレッシャーを感じる。
頭もいいだろう。
性格もいいだろう。
立ち居振る舞いもそれ相応に上品だろう。
いや、そうでなければならない。
人は容赦なく期待をかけて来る。
美人あるいは美男と言われたからと言って、舞い上がってなどいられない。