ときには手を


「怒らない怒らない〜」

「もうほんとウザいお前」

そんなもうただの喧嘩になっている

2人のやりとりを聞きながら

なんとなく窓の外に目をやる

ん、あれはもしかして人ではないか?

もっとよく見ようと目を細める

やっぱり人だ!

男の子…?

私の席からは

丁度芝生が生い茂っている中庭が見えて

1人の男の子が寝転がってるのが見えた

…ていうかあのひとって

バッと視線を自分の列の1番うしろにやる

そこにはいつも仏頂面で座っているはずの

日高くんの姿はなくて