「ねぇ…皆…」



「美月も…?」




蘭奈が私にそう聞く。


静かに頷いた私は震えが止まらなかった。




あの時…堀田を止めていれば…



もしかするとえみは怪我してしまうかもしれない。





そんなの…嫌だ…





私達が真剣な顔をしていると隣から松坂の声がした。




「おい…!堀田知らねぇか?えみの姿も見えないんだ…!」




私は震えながら…小さな声で…


「えみが堀田に連れていかれた…
それに…堀田が…ナイフを持ってた…」




その言葉を聞いた瞬間、松坂の顔が青くなった。




「やべぇぞ、それ…」



確かに…ナイフを持っていたんだから…



でも…どうしてえみなんだろう?



女なんてそこら辺にうじゃうじゃいるのに…





「お前ら…えみから、えみの過去聞いたか?」



「え?過去?」




何…?過去って?





「やっぱり聞いてなかったか…
みか、若葉…一緒に来てくれ。えみを捜す。美月は震えてるから無理だ。まさみ達が見ててやれ。
行くぞ」





そう言って走って行ったみかと若葉と松坂。