「好きなとこ……ですか?」
「うん」
「全部です!」
「具体的にね」
……うっ。
挙手してどうどうと伝えたのに、〝具体的に〟という要求が課せられた。
そんなことを聞くなんて珍しい。いったいどうしたんだろう?
「わかんないんだよね。あんたはいったい、俺のどこが好きなのか」
そう言うと、ドアのとこに座り込んでるあたしの元へと近づいてくる桐谷くん。
そしてあたしの前までくると、そっと目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「だから、教えて?」
どこか挑発しているようにも感じ取れる甘い声に、胸がドキリとした。


