寒がりなうえに、暗所恐怖症プラス閉所恐怖症のあたしには、正直この空間はさすがにこたえた。
だけど大好きな桐谷くんがいるんだ。弱いとこなんて見せてられない。
とりあえず、意地でも笑っとけ……!
「き、桐谷くん」
「なに?」
「なんでもいいので、何かおはなししませんか?」
「なんの話をしなきゃいけないの」
「えっと……なんでもいいので……」
少しでも気を紛らわしたくて声をかけてみたけど、本人はいたって乗り気ではない様子。
当然だ。桐谷くんは基本、用がないと喋らないんだから。
だったらあたしが一方的に話せばいいだけ……!
そう意気込んだのに、
「じゃあさ」
「えっ?」
「俺の好きなとこ、言ってみてよ」
桐谷くんはあたしにそう促してきたのだ。


