「あたし、桐谷くんのその優しさに漬け込みますから!」
「?」
「図々しいあたしのことを、迷惑じゃないって否定してくれたから、これからもウザいくらい追いかけますよ!」
ニコッと笑って答えると、桐谷くんは眉を下げ、半ば諦めたかのように笑って息をついた。
「……好きにすれば?」
その返答に満足して、あたしはもう一度ドアの方へと振り返る。
悪いと思いながらもドアを蹴ったり殴ったりしてみたが、当然びくともしない。
しばらく続けてみたけど、やっぱりドアは開かず、あたしはすぐそばの棚に身体を預けてずるずると座り込んだ。
「……もう限界?」
ずっと傍観してた桐谷くんが、そう聞いてくる。
「いえ!まだまだです!……ただ、ちょっと休憩を……」
言いながら、あたしはもう一度教室内を見渡した。
やはりこの教室は、暗い。そして狭い。
汗もかいてきて、少し身体が冷えてきた。体がブルッと震える。
……大丈夫、大丈夫。あたしならまだいける。


