「あのさ」
「はい……?」
「そういう時は、俺を呼んで」
え?
「市原こそ関係ないだろ。これは俺とあんたの問題なんだし……」
語尾を濁しながら、桐谷くんは小さな声で続ける。
「それに、危ないだろ。
今回閉じ込められたのが、あんたひとりじゃなくて良かったよ」
聞き取りにくい言葉でも、あたしはしっかりと聞きとめた。
「何言ってるんですか!良くないですよ!」
そして間髪入れずに言い返した。
「あたしの責任なのに、桐谷くんまでこんな危険な目にあってしまって……。
阿部さんのこと許せません!桐谷くんを閉じ込めたこと、怒ってきます!
だから絶対にここから出ましょう!」
強く言い切ると同時に気合を入れ、もう一度ドアの方へと振り返る。


