「逸らさないで。ちゃんと俺の目を見て答えて」
桐谷くんがあたしの顎を掴んできて、強引に自分の方へ向かせる。
近い近い近い……!!
「こ、ここここ答えます……っ!!」
あまりにも刺激が強すぎるため、降参だ。
あたしは参りましたと言わんばかりに、しぶしぶ今朝の出来事を告げることにした。
壁にもたれかかってる桐谷くんに、今朝の出来事、阿部さんのことを話した。
「……はぁ……」
すべてを白状すると、桐谷くんは盛大にため息をつく。
無理もないだろう。
あたしに対してのやっかみなのに、どうして自分まで巻き込まれなければならないんだと思うはずだ。
「ごめんなさい桐谷くん。こんな目にあわせてしまって……」
「どうしてあんたは、そうやって無茶ばっかするんだろうね」
「ホントにごめんなさ……、って、え?」
ビックリした。
てっきり〝まったくだよ〟なんて言葉が返ってくると思ってたから、意外な返答に思わず顔をあげてしまった。


