「あんた傘は?」
「あ、放課後までにはやむかなぁって思って舞ちゃんに貸しました!」
傘立て見たけどあたしの傘はなかったし、舞ちゃん素直に使ってくれたんだなぁ。
良かった!
「あんたバカなの?」
「え?」
「いやバカだろ」
ガーン!!
バカ2連続でいただきました。
「あ、あの……バカなのは自分でも重々承知してるんですが、バカは風邪をひかないっていうことわざがありましてですね?
バカでも超健康だし、ちょっとはいいとこあるっていうか……」
「やっぱバカだ。バカは風邪をひかないってのはことわざじゃなくて慣用句だよ」
「えぇっ!」
「それに……」
突然、ふわりとあたしの頭上にシンプルな傘が広がる。
すぐ隣には、肩が触れそうなくらい近くに桐谷くんがいた。
「バカでも風邪はひくよ。ひきにくいだけで」
「……!」
そんな桐谷くんの目に、吸い込まれるかと思った。


