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玄関のとこでパッと手を離され、「ん」と荷物を渡される。
それはあたしと桐谷くんの分のカバンだ。
「え……あの……」
「ねぇ早くしてくれる重いんだけど」
「あっ、はい!」
息継ぎも句読点もない言葉に、あたしは焦って手を出した。
ドスッとふたり分の荷物が手の中におさまる。
……桐谷くん、なんかちょっと怒ってる?
つねに無表情で感情を表に出さないからよくわからないけど、なんかこう、オーラが地味に不機嫌っていうか……。
桐谷くんは無言のまま、傘立てで自分のシンプルな傘を手に取ると外へ出る。
あたしも後ろを着いていき、空を見上げた。
「わ……土砂降りだ……」
雨はお昼のときよりもひどかった。


