「たった今終わりました……」
あたしはちゃんと、桐谷くんの質問に答えたよ。
無視は傷つくことを学んだからね。ちょうど3秒前に。
「ふーん。そう。
じゃあ俺も忘れ物取りにきた」
ツカツカと中に入ってくるなり、あたしの席のカバンを手に取った桐谷くん。
やがて彼はこちらに向かってきて、あたしの手を握った。
「えっ?」
「〝荷物持ち〟っていう、忘れ物」
そうつぶやくなり、そのままあたしを教室から連れ出す。
桐谷くんの行動に、頭がついていけなくてハテナマークがいっぱい浮かんだ。
教室から出るときに後ろを見ると、イッチーのビックリしてる表情が目に映った。


