直後、
――グイッ。
「うわっ」
突然、背後から誰かに腕を引き寄せられる。
「ねぇ」
聞き覚えのあるその淡々とした言葉に、あたしの脳内桐谷専用センサーがピピーンと反応した。
「桐谷くん!」
くるりと後ろを振り返れば、案の定あたしの大好きな桐谷くんが。
「そこ邪魔なんだけど」
「え?」
「取りたいものがあるから、ちょっとどけてくれる?」
「あ、はい……」
そう言って桐谷くんは、あたしとイッチーを離らかせると、その間に割って入ってきて教卓の中を覗いた。
イッチーはいきなり現れた桐谷くんにびっくりしてるようだ。
「あれ。ないや」
「え?」
「どっか別のとこに忘れたのかも。邪魔してごめん」


