「はあ……疲れた」
「桐谷くんのお母さん、すごく優しいね」
「ごめんね、急にこんなことになって。ビックリしたでしょ」
確かにビックリはしたけど、決してイヤではなかった。
あんなにもよくしてくれるお母さんに、あたしは早速心を開いている。
「ご挨拶できて良かったよ。あんなお母さんっぽいことされたの久々だったから、すごく嬉しかったなぁ」
そう言うと、桐谷くんはおもむろに部屋の真ん中に座り、ちょいちょいとあたしに手招きをした。
「奈乃。こっちおいで」
何かと思いながらも、あたしは桐谷くんに近づき、隣に座ろうとしてみる。
すると、突然腕を掴まれ、グイッと引っ張られた。


