「はい、これで拭くわね」
「あ、ありがとうございます。自分で拭けます……」
「いいのいいの。私が拭くから」
そう言って、桐谷くんのお母さんはタンスから取り出したふわふわのタオルであたしの濡れた体を拭いてくれる。
傘をさしてたけど、相合傘だから少し濡れちゃった部分がところどころあったんだ……。
「で、なんでいるの?母さん」
桐谷くんのことをずーっと放置していたお母さんに、自分でタオルを取って拭いてる桐谷くんが問う。
「なんでって、たまたま仕事が早上がりしちゃって。急な雨でお母さんもビックリしちゃったー。でも、奈乃ちゃんに会えたからラッキーだったなぁ」
なんて言いながら、ニコリとあたしに笑いかけてくれるお母さん。
キュン。
ちょっと雰囲気が桐谷くんにも似てるせいか、胸がドキドキする。
可愛いお母さんだぁ……。


