あたしが声をかけると、桐谷くんは「あっ」と気付いて、こちらへやってきた。
「あんたの応援、うるさすぎ」
どこか困ったように、でも仕方ない奴とでも言うように、笑ってくれる桐谷くん。
あー!好きだー!
「ごめんね!桐谷くんを見てるとこう、気持ちが高ぶってしまって……!」
「……まぁ、あんたならうれしいから別にいいけど」
ぬわっ!!
ま、マジで!?
今、桐谷くんがあたしのこと特別扱いしてくれた気がする……!
「自販機まで飲み物買いに行くけど、あんたも行く?」
まさかの桐谷くんからのお誘い!?
そんなの行くに決まってるじゃないですか!
激しくうなずいて「うん」と言おうとしたときだった。
「……奈乃?」
誰かに名前を呼ばれ、振り返る。


