「天然って、本当に無自覚でタチが悪いから困る」 「……あ……」 ぶつぶつ文句を言いつつも、桐谷くんは再びあたしの手を握ってくれた。 この手を離さないとでも、言うように。 このおだやかな温もりに、思わず笑みがこぼれる。 ……この先もずっと、つないでられるといいな。 花火が消えていく最後まで、そんなことを思っていた。