こんなにも優しい彼を、心配かけたくないなって思った。
もっと自分がしっかりして……もっとたくさん、好きって伝え続けよう。
そうすれば、きっと彼に心配させることはないはずだから。
「桐谷くん、好きです」
「っ!!」
なんとなく、ひと気が少ないことをいいことにコテンとその肩に頭を乗っけて甘えてみた。
すると桐谷くんの肩がビクッと震える。
「あんた……さっき言ったこと全然わかってないだろ……」
「えっ?」
「そういうのは、簡単にするもんじゃないよ。バカ」
どうしてだろう。
夏の花火と同じくらいにうるさいあたしの心臓の音と共に、花火の光に照らされた桐谷くんの横顔がとても赤く染まっているように見えた。