この胸のドキドキ……聞こえてないよね?
不安だから、なんとなくごまかすために、思ってたことを口にしてみた。
「……やっぱり桐谷くんの手、好きだなぁ……」
「へえ。手だけなんだ、俺の好きなところ」
「え!?いや、全部好きだよ……!」
「ははっ。うん、知ってる」
焦ってるあたしがおかしかったのか、噴き出すように笑ってる桐谷くん。
ああ、この笑顔も好き。
手をつないだまま、あたしたちはひと気の少ないところで花火を見ていた。
かき氷はお互いに食べ終わっていて、さっきからあたしは花火に感動しっぱなしだ。
すると突然、桐谷くんがつぶやく。
「あげるよ」
「……え?」
「この手も、他のものも、俺の全部。あんたにあげる」


