左手にはかき氷。右手にはうちわ。
さっきまで、桐谷くんの手をつないでたはずなのに……。
あたしは器用に、片手にうちわとかき氷をまとめて持った。
今度こそ、呆れられたと思う。
だけど初めてのデートで、こんなのはイヤだ……!
「……桐谷くん!」
追いかけながら、その背中を呼び止める。
すると桐谷くんは立ち止まり、どこか不服そうな顔でこちらに振り返った。
あたしはそっと、あいてる方の手を差しのばす。
「……?」
なにこれ?みたいな感じの顔で、桐谷くんはあたしの手を見つめる。
「……えと、仲直りの握手……してください」
そう言うと、桐谷くんはかき氷を持ってない方の手であたしの手を握る。
やっぱり、さっきの男の人なんかより、こっちの手の方が好き。
大好き。
「ごめん」
「ごめんなさい」
ふたりの声がハモった。


