「……き、桐谷くん……」
どこか不機嫌そうに男の人を睨んでいる桐谷くん。
急に足で壁ドンをされて、男の人は驚いてるようだ。
……でも、そのおかげで手が離れたから、良かった……。
「なんかこの子に用ですか?」
「あ、いや……」
さっきまで楽しそうに絡んできた男の人も、桐谷くんの突然の登場にタジタジしている。
「そ。じゃ、行くよ」
「え、あ……はい……!」
あたしは男の人になんとなくペコリと一礼すると、かき氷だけ手渡して先に歩き出してしまった桐谷くんのあとを追った。
どうしよう……。
今度こそ絶対に怒らせたかも。
だってさっきから無言だし、全然こっちを見てくれない。
ずっとあたしが、背中を追っている感じだ……。


