「もしかして、ホントに気付いてなかった?」
「だって……なんであたし!?」
「遠目から見つけて、可愛いなぁって思って」
「うっそ! いやいやいや、おかしいですって。ていうかナンパなんて初めて……!なんか、感動です……!」
「ぶはっ。ヤバイね、君。めちゃくちゃおもしろいじゃん。これは久々に当たりがキタかも」
ニコッと人懐っこい笑みを浮かべ、さらにあたしの手をギュッと握りしめる彼。
男の人の力強さに、驚いた。
「ね、早くい……」
――ドンッ!!
スッと、あたしの手を握っていた彼の手が離れる。
ちょうどあたしたちが手を握っていたその下を通って、壁に強く足を押し付けたのは……。
「……なにしてんの?」
両手にかき氷をもった、桐谷くんだった。


