あたしがうつむくと、桐谷くんはあたしの頭をポンポンと優しく撫でた。
「すぐ戻ってくるから」
落ち込んでるあたしにとって、それはとても心安らぐものだった。
そして、桐谷くんの言われた通り小さなもたれかかれるくらいの堀のところに立って待っていた。
背を預けて休んだら、少しは足の痛みもマシになってきたかも。
「うちわどうぞー」
「あ、ありがとうございます」
ティッシュ配りみたく、うちわを配ってる人に目をつけられ、無理矢理うちわを手渡された。
ちょうど暑かったし、いっか。
この近くの飲食店の宣伝をしてるうちわで、なんだか夏祭りの雰囲気を台無しにしてるような気もするけど、今は気にしないでおこう。
火照る体を、うちわでパタパタとあおいで涼ませた。


