そんなあたしの気持ちを知るはずもない彼は、ふぅっと落ち着いたため息をつく。
「……わかった」
ポツリ、つぶやかれた声にハテナが浮かんだ。
「なにがわかったんですか?」
そう聞くと、桐谷くんはチラリとあたしに視線を向ける。
「いいよ。そこまで言うなら俺を落としてみなよ。
あんたの本気、見せてみて」
「!!!」
彼はときに、あたしに甘い。
「死ぬ気で頑張ります!!」
「あ、やっぱ暑苦しいからそのまま死んでくれていいよ」
迷惑そうな表情。
だけどその裏に隠されてる優しさに、あたしは漬け込んでみようと思う。